ドイツの教育は遊びとともにやってくる

 

 「スポーツをすべての子どもの生活要素にしていくためには、幅広い、スポーツ種目を超えた、遊び重視の、そして子どもたちの関心に合ったインターカルチュラルな開かれた運動を提供することが、子どもの教育の中で一段と高く位置づけられなければならない」と「ドイツ子どもスポーツ白書第1巻」に書かれています。ドイツの子ども向けボールゲームプログラム「バルシューレ」の普及に携わるようになり、ドイツの抱えている子どもたちに対する問題について触れる機会が増えました。「昔の子どもたちは外で元気よく遊んだものだ。それにひきかえ今の子どもたちは・・・」このような状況が日本だけではないことを知りました。ドイツでも子どもたちの外遊びが減少し、子どもの運動不足を嘆く声が多く聞かれます。ドイツの体力低下に関するこんなデータがあります。10万人以上の子どもと若者を対象に調査を行なったところ、過去25年間で持久力が最悪の結果となったそうです。女子が15.8%、男子が24.7%の低下がみられ、男女ともに高いパフォーマンスと低いパフォーマンスの差が大きく、高い側はさらに伸び、低い側は徐々に悪い方向に向かっている。つまり極端な二極化になっているということです。では、この問題を解決する方法はあるのでしょうか。ドイツでは各州や市、町が対策を講じています。そこには必ずスポーツクラブが絡みます。スポーツクラブでは先ず赤ちゃんから幼稚園児までは好きなことをさせます。スポーツ全般、ミュージカル系ダンスなどをする傾向が多いようです。
 

バルシューレジャパン 福士唯男