どうなる 子供の遊び場所

 35年以上前に、内田少年が撮影し出展した写真です。「東京をみてまず思うことは、やはり空き地が少ないということ。年々人口が増えるのに対して空き地は人口と反比例に少なくなってゆく。土地のないことによって遊び場がなくなってしまう。」とこの写真を内田少年は説明します。
 内田中年は、金網に穴を開け、空き地で遊ぶ子どもを目にすることが、最近はないことに驚いています。大人が遊んでいいと指定した場所を作っても、遊ぶ子どもはわずかです。ゲーム機などの普及、発展もありバーチャルな世界で遊ぶ方が楽しいのだと思います。
 内田少年は、「このような東京という大都会の中で遊ぶ子供の姿を写そうと場所を探して見つかったのがこの場所であり又、もう一人の自分をも見る感じであった」と語ります。
 内田中年は、この金網の中で遊ぶ子どもたちのエネルギーはどこから出てくるのか。今の子どもたちは、金網を破ってまで、遊びたいのだろうかと考えています。
 子どもが遊ぶというのは、大人とは違うことを内田中年は知っています。ですが、子どもの遊びを大人が都合よくカスタマイズした結果、金網を破って遊ぶ子供がいなくなったのではないかと35年前の私に問われています。
 未来につなぐ子どもの遊びとは、大人の都合でコントロールしてはならないと改めて感じるのです。したいことをしたいようにやってみる。子どもの時に、もっと遊びたかったという思いの延長が、大人の余暇を支え、人生の価値となるように、全ての子どもたちの遊びを支えていかなければと思うのです。
 

東海大学体育学部 内田匡輔