独楽回しを子どもたちと楽しみたいのですが、示範がうまくできません。
指導法についても教えてください。

保育者養成の「児童文化」等の授業で、学生に「独楽回し」を指導して25年になる。学外でも、児童館や小学校、幼稚園、保育所等でも、子どもたちに独楽回しの楽しさを伝えている。
 
上手に独楽回しをするためには、まずは独楽の選び方を検討したい。教材屋さんの独楽は、全て木製が多いが、木の心棒は中心がずれていることが多く、長く回らない。独楽は鉄の心棒で、胴体がプラスチック、上部がブリキで、直径6㎝くらいのものが軽くて危険性も逆に少なく、1分以上長く回って、たくさんの技や遊びも工夫できる。次に、ひもの選び方。市販されている独楽のセットでは、細いひもが付けられていて、巻く時につぶれやすく、短いので独楽の端まで巻くことができにくい。独楽のひもは、直径4ミリくらいの太さのものが巻き易く、片方の端に直径2㎝くらいの輪を作り、もう片方は結ぶと良い。
 
独楽がうまく回らない原因は、ほとんどがひも巻きが弱いためである。独楽のひもを強く巻くためには、2つのポイントがある。1つ目は、独楽を全ての指の先に力を入れて持つことである。最初は指の先が痛く感じるが、慣れるとひもを強く引っ張って巻くことができるようになる。2つ目は、ひもを下の心棒に二重巻きにしてから巻くことである。中心を太くしてから巻くと、途中でつぶれにくい強いひも巻きができる。強くひもを巻けると、強く投げることができ、結果として人よりも強く長く回すことができる。もう1つの回らない原因は、投げ方にある。独楽は、ひもに引っ張られて向きを上に変える性質があるので、投げ出す時の独楽の上部を外向きにして、アンダースローで投げると、途中で向きが変わって心棒で立って回る。独楽が横向きに回ってしまうのは、この原理が分からず、上から投げたり、前向きに投げたりしているからである。皆さんの健闘を祈る!!
 

(回答者)
尚絅学院大学子ども学科教授
全日本独楽回しの会 会長 安藤正樹